識名園(しきなえん)は琉球王家の別荘だった庭園で世界遺産です。国指定の特別名勝でもあります。
広大な敷地に池や御殿(うどぅん)とよばれる琉球王家の特徴ある建物、豊かな緑が植えられています。
パワースポットとしても有名でボーッとしたい人や癒しを求める人には特にオススメの場所です。
識名園は那覇市内にあり、観光所要時間も1時間くらいなので、離島行きやホエールウォッチングの船が欠航してしまって時間が急にできたという人が過ごす場所としてもオススメです。
【識名園の最新情報】
年末年始も開園。
*通常は水曜日が休園日ですが、1月2日(水曜日)は開園。
代わりに1月8日(火曜日)がお休みです。
管理事務所のカレンダー
▼識名園はこんな人におすすめです▼
・観光地の喧騒を離れて静かに過ごしたい
・世界遺産が好き
・離島行きやホエールウォッチングの船が欠航してしまって時間が急にできた
知りたい情報にひとっ飛び!⇒目次
識名園とは
識名園は2000年に世界遺産に登録された庭園です。
「廻遊式庭園」(かいゆうしきていえん)で、園内中央に位置する池のまわりは散策できるようになっており、風情あるさまざまな景色を楽しむことができるようになっています。
約42,000㎡(役12,800坪)の広い土地に沖縄特有の植物だけではなく、日本の四季を感じられるさまざまな植物も植えられています。
首里城の南にあり、琉球王家の最大の別荘「南苑」と呼ばれていました。ここで国王一家が休養したり中国からの特使「冊封使」(さっぽうし)などをもてなしました。
園内はとても静かで那覇市内にいることを忘れてしまいます。
植物が豊富にあり園内に入ってすぐにガジュマルが出迎えてくれます。
識名園の魅力・見所
識名園の魅力はなんといっても廻遊式庭園(かいゆうしきていえん)です。
廻遊式庭園(かいゆうしきていえん)とは歩きながら庭の景色の移り変わりを楽しむことのできる庭園のこと。
園内中央の大きな池を中心に「御殿(うどぅん)」「六角堂」「石橋」など風情のある建物や構造物が配置されており、歩いていくと景色の見え方が変わります。
また沖縄独特の植物だけでなく、日本の四季を感じさせる花も園内各所に植えられ目を楽しませてくれます。
人が滞在していた「御殿(うどぅん)」では池に面して縁側で座ることができてボーッとできます。
旅の疲れを癒すには最高の場所です。
「御殿(うどぅん)」の縁側からの景色
御殿(うどぅん)
一見民家風ですが、琉球の上流階級のみに許された形式の赤瓦屋根の木造建築です。
中は広く525㎡(159坪)あります。一周できるようになっています。
御殿全図写真
前の一番座写真
識名園は琉球王家の別荘であると同時に中国からの大使(冊封使 さっぽうし)をもてなす場所でもありました。
冊封使をもてなす「一番座」の部屋へ続きます。
一番座写真
実はこの場所は平成27年に行われた囲碁「本因坊戦」の場所としても有名。
一番座の前の縁側は座ることができ池の景色を心おきなく楽しむことができます。
縁側からの景色
裏の方の台所も見学できます。
どの部屋からも池の景色が楽しめるようになっています。
識名園の池
廻遊式庭園(かいゆうしきていえん)の識名園では園内中央にある池の景色をさまざまな角度から楽しむ事ができます。
*2018年12月下旬撮影。あいにくの雨です・・・天気が良いと空の色とのコントラストでもっと美しいと思います!
六角堂
識名園中央の池にある六角形の東屋(あずまや)です。
池に静かにたたずむ景色は優美です。
石橋写真
六角堂に渡る石橋は一つの琉球石灰岩からできたもので、民藝運動を率いた柳宗悦(やなぎむねよし / そうえつ)が絶賛しています。
「小品ではあらうが、之まで美しさに充ち充ちている」
柳宗悦(やなぎむねよし / そうえつ)
1938年から40年にかけて4度沖縄に来沖。
湖面に揺れる柳も風情があります。
石橋
2つ連なった石橋
対岸へ渡ることができます。
雨の日は特に滑りやすいので注意しましょう。
船揚場(ふなあげば)
その名の通り池に浮かべた船を揚げるところでした。琉球石灰岩が優しい表情をだしています。
滝口(たきぐち)
池からの水が滝になるように設計された滝口。かつてはそばに八角形の東屋もあり涼むことができたどうです。
「勧耕台」あえて海が見えない展望台
識名園の展望所です。あえて海が見えないつくりになっています。
琉球の土地は海がまったく見えないくらい広いのだと中国からの冊封使(さっぽうし)にアピールする狙いがあったようです。
勧耕台からの見晴らし写真(パノラマ/2018年12月下旬撮影)
あいにくの雨です・・・
当時はビルなどの建物はもちろんなくてのどかな農耕地帯が広がっていました。
大陸的なのどかな風景は中国からの冊封正使(さっぷうせいし)・林鴻年(りんこうねん)の心をとらえ、「勧耕台」と題されました。
勧耕台碑 1986年(昭和61年)に復元されたもの。
田畑がよく耕されているのを見た冊封正使(さっぷうせいし)・林鴻年(りんこうねん)が王がよく人々を励ましていることを讃えて題しました。
勧耕台そばにはこんなエリアも。見晴らしも良くてピクニックもできそうですが、識名園での飲食はNGです。
育徳泉(いくとくせん) | 天然記念物シマチスジノリ
育徳泉は識名園中央の池の水源になっている泉で、識名園入場口から御殿(うどぅん)に行く道すがらにあります。
水には透明度があります。
泉の周りは沖縄特有の「あいかた積み」になっており、琉球石灰岩が使われています。
育徳泉の井戸口の上には中国の冊封使(さっぽうし)が泉の豊かさをたたえた碑もあります(戦災で破損したため現在は拓本をもとに復元されたものです)。
育徳泉には国の天然記念物「シマチスジノリ」が発生していることでも有名です。
*シマチスジノリは藻です。
正門
正門写真
琉球国王一家や中国からの冊封使(さっぽうし)が通った識名園の正門です。
屋根のついた門で、格式のある屋敷のみに許された「屋門(ヤージョウ)」という形式です。
正門から育徳泉への道
琉球石灰岩でできた石畳の道
正門や通用門から識名園中央の池にむかって琉球石灰岩でできた石畳の道が続きます。南国らしい雰囲気が漂います。
通用門前から続く石畳の道
通用門と番屋
通用門写真
番屋写真
番屋は御殿(うどぅん)の裏(現在の入口側)にあり、役人が詰めていました。
識名園の口コミ
識名園はどこ?場所
識名園は那覇市の真地というところにありますが、国際通りから距離にして約4km弱、タクシーで15分ほどです。。
首里城からは距離にして約2km、タクシーで約12分とメジャーな観光地からはやや外れた場所にあります。
園内は本当に静かで「ここは沖縄?!」と錯覚するくらい静寂な空気がただよっています。旅の色々や観光地の賑やかさに疲れた方にはオススメの場所です。
近くには那覇市民にも人気のパン屋さんがあったり那覇市最大の霊園で沖縄独特のお墓を見ることができたりとローカルな雰囲気も楽しめます。
識名園の見学所要時間
識名園の見学所要時間は45分ほどです。
トイレの時間なども合わせて滞在時間は1時間を見ておけば大丈夫です。
早足なら30分で大丈夫ですが、識名園には園全体に落ち着いた雰囲気がただよっており、できれば当時の王侯貴族のようにゆったりと静かな時間を楽しんでいただきたいと思います。
識名園のチケット・入場料
識名園管理事務所 兼 チケット売り場
識名園は那覇市が運営する公園です。普段の入場料も民間の施設に比べて高くなく、文化の日は無料になります。
通常の入園料
識名園の入場料は大人400円です。
中学生以下は200円、保護者同伴の就学前の児童は無料です。
*団体(20名以上)は大人320円、中学生以下160円
*那覇市に住所のある65歳以上の方は半額。
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は手帳の提示で本人と介護者1名まで無料。
入場料割引
文化の日(11月3日)は識名園も無料開放となり入場が無料となります。
またモノレールのゆいレール「フリー乗車券」で入園料が割引になります。
大人400円→320円、子供200円→160円。
(ゆいレール公式ホームページより引用)
ただし識名園はゆいレールの駅からは遠いので要注意。
識名園への行き方・アクセス・交通手段
識名園はゆいモノレールの駅からも遠いので、タクシーかレンタカーがオススメです。
バスも路線がいくつかありますが、時間が正確に読めないので注意しましょう。
バス
識名園のすぐ近くに路線バスのバス停「識名園前」バス停があります。
国際通り近くの「県庁前」からもバスが出ており約20分ほどです。
*那覇バスターミナルから識名園への直通バスはありません。
ただし那覇の人いわくバスの時間はルーズで時刻表通りに来ないことが多いそうなので要注意です。
バス停はこんな感じ。
ゆいモノレール | 最寄り駅は「首里駅」
一番近いモノレールの駅は「首里駅」になりますが、距離にして約2.5km、徒歩で約35分もかかるのでオススメできません。
タクシー
時間を有効に使いたい旅先。
沖縄では横浜に比べてタクシーの初乗り料金も安いですし、移動しながら乗務員さんから現地の役立つ情報を仕入れることができるで、オススメです。
識名園へのタクシー料金 | 国際通りや那覇空港から
沖縄のタクシーは初乗り550円です。
*1750mまで。以降372mごとに約70円。
*ボックスカーの場合は580円。
たとえば「国際通り〜識名園」のタクシー料金目安は620円〜830円、時間は15分ほどです。
また「那覇空港〜識名園」のタクシー料金目安は1,500円〜2,000円、時間は30分ほどです。
ちなみにfurukawasは旅行中に「識名園〜瀬長島ウミカジテラス(豊見城市)」でタクシーを利用しました。時間は約40分で2,790円でした。
領収書写真
→合わせて読みたい瀬長島ウミカジテラス
識名園のタクシー乗り場
識名園にはタクシー乗り場は特にありません。
しかしタクシーは識名園前の道路にも頻繁に通っており、いざとなれば管理事務所でも呼んでもらえるので、帰りも安心です。
レンタカー | 駐車場は無料
識名園前には広い駐車場が完備されているので(普通車60台)レンタカーも安心です。料金は無料です。
識名園の便利情報 | コインロッカー、トイレ、売店、雨のとき
識名園の便利情報をまとめておきます。識名園の園内周辺にはコンビニや自動販売機などはありません。飲み物など必要なものは用意しておきましょう。
コインロッカー
識名園のコインロッカーはありません。
コインロッカーはありませんが、荷物はお願いすると管理事務所(チケット売り場)で無料で預かってくれます。
ここで荷物を預かってくれたり、雨の日には傘を貸してくれます。
トイレ
識名園のトイレは2箇所です。
トイレは2箇所
・入場前、識名園の入口近く
・識名園内「勧耕台」の近く
入口付近のトイレ。入園前にすませておきましょう。
トイレは識名園の入場前、チケット売り場・売店の近くにあります(女性は洋式3つ)。
園内には「勧耕台」と言われる展望台の近くにトイレが一か所あるのみ(女性は洋式1つ)。
入園する前に行っておくことをオススメします。
展望台「勧耕台」近くのトイレ
売店
入口横に小さな売店があります。
食べ物はブルーシールアイス、お土産はポストカードや小さなシーサーなどが置いてあります。
水などの飲み物は識名園に行く前に用意しておきましょう。
*園内に自動販売機はありません。また近くにコンビニもありません。
識名園 注意
歩きやすい格好や温度調整についてまとめました。怪我や熱中症などに注意して楽しく識名園を楽しみましょう。
識名園怪我に注意
廻遊式庭園(かいゆうしきていえん)でもある識名園は池の周りを歩きながら移り変わりゆく景色を楽しめるようになっています。また展望台もあります。
そのため石畳の道、砂利道、芝生の道、階段と高低差もあって、園内はけっして歩きやすい道とはいえません。
スニーカーなどの歩きやすい靴をオススメします。
女性はヒールはまずやめた方が良いでしょう。
「園内注意箇所マップ」(識名園管理事務所公式ホームページより引用)
気温に注意
夏は当然暑いです。
園内に自動販売機はありません。近くにコンビニもありません。
事前に飲み物は用意しておきましょう。
入口のそばに売店がありますが、アイスクリームが少し売っているだけ。
また12月は風が強いこともあります。海からの北風です。
体感温度が低く肌寒く感じることもあるため風をさえぎるウインドパーカーなどがあると、園内をゆっくり見て歩けます。
12月以降は小雨も多いですが、大きな傘を管理事務所で貸してくれます(無料 / 数に限りあり)。
入口付近の休憩所。厳しい日差しや雨から守ってくれます。
ペット
ペットは残念ながら入場不可です。
*盲導犬、介助犬、聴導犬を除く。
識名園の動植物
識名園の園内は緑にあふれています。散歩しているだけでマイナスイオンで満たされる感じです。「パワースポット」と言われるのも納得。
識名園のカジュマル
「正門」付近の巨大なガジュマルの木
識名園のデイゴ
遠くに見えるのはソッとたたずむfurukawas夫です・・・
識名園のソテツ
識名園のバナナ
かつてはバナナ園もあったそうです
識名園の四季の花々
識名園には沖縄特有の植物だけではなく、日本の四季を感じさせる花々がところどころに植えられています。
石蕗(つわぶき)
桔梗
菖蒲
時期になればきれいでしょうね。
サルスベリ
御殿(うどぅん)には中庭に四季の花々が。
野鳥のサギもいます
園内にはサギもいて池などにもたたずんでいます。
一応ハブに注意
沖縄では「ハブに注意」の表示をよく見ます。
最近では那覇市民もあまりハブを見ないと言いますが、草むらなどに無駄に入るのはやめておきましょう。
識名園の猫
入口付近にいて座っていると近づいてきます。
特に餌をねだる訳ではなく、人懐こくて可愛いです。
Furukawas夫にそっと寄り添う猫。
識名園近辺のランチ・カフェ情報
識名園近辺にランチできるところやカフェというのは見当たりませんが、歩いて5分のところに地元でも有名なおいしいパン屋さんがあります。
パンは菓子パンだけでなく惣菜パンもあるので、識名園入口近くの休憩所で食べても良いかもしれませんね。*識名園内は飲食禁止です。
識名園をイメージしたオリジナルお菓子「識名園 うるまんぺい 浪漫餅」もあります。
識名園近くの観光施設
→首里城
→金城石畳道
→玉陵
識名園の地図
Information | 識名園の基本情報
住所 | 沖縄県那覇市字真地421-7 |
問い合わせ先 | 098-855-5936(識名園管理事務所) |
開園時間 | 4月1日~9月30日 9:00〜18:00(最終入場時刻17:30) 10月1日~3月31日 9:00〜17:30(最終入場時刻17:00) |
休園日 | 毎週水曜日(祝日の場合、6月23日「慰霊の日」の場合は翌日が休園日) →年末年始もやっています。 *台風による休園など最新情報は管理事務所にお問い合わせ下さい。 |
最寄り駅 | (モノレール) ゆいレール「首里駅」 (バス) 那覇バス 停留所「識名園前」 |
アクセス | (電車) 「ゆいレール「首里駅」から約2.5km 徒歩約35分 (バス) 那覇バス 停留所「識名園前」 |
駐車場 | 普通車約60台 料金は無料。 |
入園料 | 大人400円、中学生以下200円、保護者同伴の就学前の児童は無料。 *団体(20名以上)は大人320円、中学生以下160円 *那覇市に住所のある65歳以上の方は半額。 *身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は手帳の提示で本人と介護者1名まで無料。 |
クレジットカード | 不可 |
公式HP | http://www.city.naha.okinawa.jp/kakuka/kyouikubunkazai/bunkazai/shikinaen.html |
観光所要時間:30分〜1時間(目安)
デート : ◎
ファミリー: ◎
1人 : ◎
ペット(盲導犬、介助犬、聴導犬を除く)の入園は不可