*2018年10月5日に記事を更新しています。
根津美術館は東京・南青山にある日本と東洋の古美術を収蔵している美術館です。
広大な庭園や緑を眺めながらお茶できるNEZUCAFÉ、こだわりのミュージアムショップなどがあり、美術品鑑賞だけではなく楽しめる場所です。
シンプルでモダンな空間は感覚を研ぎ澄ますのに最適。
ミュージアショップではこだわりの逸品も揃っています。
根津美術館の楽しみ方や見どころを、館内の雰囲気や収蔵作品、日本庭園の様子やミュージアムショップの情報と共にお伝えします。
▼こんな人におすすめです▼
・都会の喧騒を離れて静かな場所で佇みたい
・一流の美術品で自分の感覚を研ぎ澄ませたい
・庭園の緑に癒されたい
知りたい情報にひとっ飛び!⇒目次
根津美術館の概要と雰囲気
創設者
初代根津嘉一郎(1860~1940)
↑初代根津嘉一郎氏
根津美術館創設者は初代の息子・二代根津嘉一郎(ねづかいちろう)です。
初代・根津嘉一郎は東武鉄道の社長を歴任した実業家でもあり、現在の武蔵大学の前進を創設した教育家、政治家でもありました。
また茶人としての一面を有しており、美術品を精力的に収集していきました。
現在の根津美術館の収蔵品のうち約6割が初代が収集した美術品や茶道具です。
収蔵分野
日本と東洋の古美術。
書蹟、絵画、彫刻、金工・武具、陶磁、漆工、木竹、染織、考古。
収蔵品数
約7,400件。
うち国宝が7件、重要文化財が87件、重要美術品が94件。
根津美術館の外観
世界的にも有名な日本を代表する建築家の1人、隈研吾(くまけんご)氏がデザインしたシンプルモダンなスタリッシュな外観です。
表参道駅方面からの敷地への入口「月の石舟」
いつ来ても落ち着くエントランス
根津美術館には海外からの旅行者も多く訪れます。根津美術館のロゴマークもドイツ人デザイナー ペーター・シュミット氏によってデザインされました。
根津美術館は世界的ファッションブランドが集う「みゆき通り」の突き当たりにあります。
デザインの街にふさわしい外観ですね。
国内在住の外国人アーティストも頻繁に鑑賞しに来ているようです。
↑企画展「香合百花繚乱」(平成30年2月22日(木)~)のポスター
根津美術館内の様子
館内はシックな内観で落ち着いた雰囲気です。
ビデオ上映されてもされていなくて一休みできる場所です。
wifiも通じます(NEZU-free-wifi)。
窓側には他の美術館のチラシなど情報がおいてあります。
ロッカー
100円を入れて使用します。あとで返却されます。
駐車場
合計9台が駐車できます。
(うち1台は身障者優先駐車場です)
根津美術館の駐車場がいっぱいになってしまったよ・・・という時には
根津美術館周辺にもパーキングがあります。
↑みゆき通り沿いにも駐車場があります。
雨の日も快適 | 庭にも傘があります
根津美術館は雨の日でも快適に過ごせる美術館です。
美術館入口で自分の傘は置いていきましょう。
折り畳み傘もロッカーに入れてしまいましょう。
庭園の散策やNEZUCAFÉに行くのに、本館の庭園口やNEZUCAFÉ入口に傘が置いてあります。
雨の日でも大丈夫です。
雨の日の風情も良い感じです。
↑NEZUCAFÉから美術館本館への道。
根津美術館の主な所蔵品
国宝
絵画
- 燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)尾形光琳(おがたこうりん)筆 日本/江戸時代 18世紀
- 漁村夕照図(ぎょそんせきしょうず) 牧谿(もっけい)筆 中国/南宋時代 13世紀
- 那智瀧図(なちのたきず) 日本/鎌倉時代 13~14世紀
- 鶉図(うずらず) 伝 李安忠(りあんちゅう)筆 中国/南宋時代 12~13世紀
- 布袋蔣摩訶問答図(ほていしょうまかもんどうず) 因陀羅(いんだら)筆 楚石凡琦(そせきぼんき) 賛 中国/元時代 14世紀
書蹟
- 根本百一羯磨(こんぽんひゃくいちこんま) 日本/奈良時代 8世紀
- 無量義経・観普賢経(むりょうぎきょう・かんふげんきょう)日本/平安時代 11世紀
重要文化財
絵画
- 阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう) 朝鮮/高麗時代
- 大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう) 日本/平安時代 12世紀
- 金剛界八十一尊曼荼羅(こんごうかいはちじゅういっそんまんだら) 日本/鎌倉時代 13世紀
- 大威徳明王像(だいいとくみょうおうぞう)日本/鎌倉時代 13世紀
- 愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう) 日本/鎌倉時代 13~14世紀
- 五百羅漢図(ごひゃくらかんず) 吉山明兆(きちざんみんちょう)筆 日本/南北朝時代 14世紀
- 十二因縁絵巻(じゅうにいんねんえまき) 日本/鎌倉時代 13世紀
- 天狗草紙絵巻(てんぐそうしえまき) 日本/鎌倉時代 13世紀
- 絵過去現在因果経(えかこげんざいいんがきょう) 絵/住吉慶忍(すみよしけいにん)・聖衆丸(しょうじゅまる)筆、書/良盛(りょうせい)筆 日本/鎌倉時代 建長6年(1254)
- 江天遠意図(こうてんえんいず) 伝/周文(しゅうぶん)筆、大岳周崇(だいがくしゅうすう)ほか11僧賛 日本/室町時代 15世紀
- 観瀑図(かんばくず) 芸阿弥(げいあみ)筆、月翁周鏡(げっとうしゅうきょう)ほか2僧賛 日本/室町時代 文明12年(1480)
- 山水図(さんすいず) 賢江祥啓(けんこうしょうけい)筆 日本/室町時代 15世紀
- 藤花図(ふじはなず) 円山応挙(まるやまおうきょ)筆 日本/江戸時代 安永5年(1776)
- 夕陽山水図(せきようさんすいず) 馬麟(ばりん)筆、理宗(りそう)賛 中国/南宋時代 宝祐2年(1254)
- 竹雀図(ちくじゃくず) 伝 牧谿(もっけい)筆 中国/元時代 13世紀
- 瓜虫図(うりむしず) 呂敬甫(りょけいほ)筆 中国/明時代 14〜15世紀
書蹟
- 無学祖元墨蹟 偈断簡(むがくそげんぼくせき げだんかん) 日本/鎌倉時代 弘安3年(1280)
- 一山一寧墨蹟 進道語(いっさんいちねいぼくせき しんどうご) 日本/鎌倉時代 正和5年(1316)
- 宗峰妙超墨蹟 法語(しゅうほうみょうちょうぼくせき ほうご) 日本/鎌倉時代 元亨2年(1322)
- 龍巌徳真墨蹟 偈(ろうがんとくしんぼくせき げ)中国/元時代 至順2年(1331)
彫刻
- 釈迦多宝二仏並坐像(しゃかたほうにぶつへびょうざぞう) 中国/北魏時代 太和13年(489)
- 十一面観音立像龕(じゅういちめんかんのんりゅうぞうがん) 中国/唐時代 7世紀
- 地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう) 日本/平安時代 久安3年(1147)
金工
- 金銅応量器(こんどうおうりょうき) 日本/奈良時代 8世紀
- 古芦屋松梅文真形霰釜(こあしやしょうばいもんしんなりあられがま) 大江宣秀(おおえのぶひで)作
日本/室町時代 永正14年(1517)
陶磁
- 青磁筍花生(せいじたけのこはないけ) 龍泉窯(りゅうせんよう) 中国/南宋時代 12世紀
- 青磁筒花生 銘「大内筒」(せいじつつはないけ めい「おおうちつつ」) 龍泉窯(りゅうせんよう)中国/南宋時代 12世紀
- 肩衝茶入 銘「松屋」(かたつきちゃいれ めい「まつや」) 福州窯系(ふくしゅうようけい)中国/南宋~元時代 13~14世紀
- 青花花卉文盤(せいかかきもんばん) 景徳鎮窯(けいとくちんよう)中国/明時代 15世紀
- 青磁蓮唐草文水瓶(せいじはすからくさもんすいびょう) 朝鮮/高麗時代 12世紀
- 青井戸茶碗 銘「柴田」(あおいどちゃわん めい「しばた」) 朝鮮/朝鮮時代 16世紀
- 雨漏茶碗(あまもりちゃわん) 朝鮮・朝鮮時代 16世紀
- 瀬戸丸壺茶入 銘「相坂」(せとまるつぼちゃいれ めい「おおさか」) 瀬戸(せと) 日本/南北朝~室町時代 15世紀
- 鼠志野茶碗 銘「山の端」(ねずみしのちゃわん めい「やまのは」) 美濃(みの)日本/桃山時代 16~17世紀
- 色絵山寺図茶壺(いろえやまでらずちゃつぼ) 野々村仁清(ののむらにんせい)作 日本/江戸時代 17世紀
- 銹絵染付金彩絵替土器皿(さびえそめつけきんさいえがわりどきざら) 尾形乾山(おがたけんざん)作 日本/江戸時代 17~18世紀
漆工
- 宝相華銀平文袈裟箱(ほうそうげぎんひょうもんけさばこ) 日本/平安時代 12世紀
- 秋野蒔絵手箱(あきののまきえてばこ) 日本/室町時代 15世紀
- 花白河蒔絵硯箱(はなのしらかわまきえすずりばこ) 日本/室町時代 15世紀
- 春日山蒔絵硯箱(かすがやままきえすずりばこ) 日本/室町時代 15世紀
- 嵯峨山蒔絵硯箱(さがやままきえすずりばこ) 日本/室町時代 15~16世紀
考古
- 饕餮文方盉(とうてつもんほうか) 中国/殷時代 前13〜12世紀
- 饕餮文尊(とうてつもんそん) 中国/殷時代 前13〜12世紀
- 双羊尊(そうようそん) 中国 おそらく湖南省 前13~11世紀
- 饕餮文方彜(とうてつもんほうい) 中国/西周時代 前10世紀
→根津美術館コレクション公式HPはこちら(作品の概要が見えます)
根津美術館の緑豊かな日本庭園の様子
都心とは思えない広大な日本庭園です。
その広さおよそ17,000㎡。
無料で散策できます。
庭園図
NEZUCAFÉの建物から庭園へ下りていきます。
庭園内には4つの茶室のほか、薬師堂、「天神の飛梅祠」と呼ばれる神社もあります。
池には鯉や小舟など情緒豊かな風景が展開されています。
所々に仏像が配置されています。
ギョッとするような恐い面持ちの仏像さまもあります・・・
↓四季折々に咲く花も見事です。
2月後半から梅が見頃
(2018年2月下旬始めに撮影)
(2018年2月下旬始めに撮影)
(2018年2月下旬始めに撮影)
庭園内にあるNEZUCAFÉカウンター席から見える白梅です。
桜の季節
(桜写真はイメージです)
4月から5月にかけては燕子花(かきつばた)が見頃
(2015年5月中旬撮影)
10月には柿も色づきはじめ・・・・
(2018年10月撮影)
(2018年10月撮影。非常に強い台風24号の後でススキも色んな方向を向いています)
紅葉の季節
(紅葉写真はイメージです)
根津美術館庭園内にあるNEZUCAFÉの雰囲気が素敵
根津美術館入館者だけが利用できるNEZUCAFÉは庭園の緑を眺めながらゆっくりお茶する事ができるカフェです。
窓側のテーブル席
梅を楽しむカウンター席
根津美術館のミュージアムショップは逸品揃い
その時に開催されている展覧会に関係する書籍や絵葉書(ポストカード)、クリアファイルなどの文具が売られているほか、
重要文化財「双羊尊」をモチーフにしたオリジナルグッズなど根津美術館のミュージアムショップならではの商品があります。
茶道関係の道具や書籍、お香道具や書道具もあります。
おしゃれなお茶道具セット
重要文化財「双羊尊(そうようそん)」がモチーフ担っているクリアファイル
根津美術館の観賞券も重要文化財「双羊尊(そうようそん)」がモチーフになっています。
ミュージアムショップで買った書籍に挟んで使うのもおすすめ。
『鑑賞シリーズ9 館蔵 香合百撰』(編集・発行 根津美術館)
根津美術館企画展「香合百花繚乱」(平成30年2月22日(木)~3月31日(土))の際に購入しました。
根津美術館の楽しみ方
美術館の楽しみ方は人それぞれですが、作品鑑賞だけではなく、広大な庭園散策や、緑を眺めながらお茶できるNEZUCAFÉ、こだわりのミュージアムショップなど根津美術館には魅力たくさんあります。
~1日楽しむバージョン~
午前10時 根津美術館開館
朝1でNEZUCAFÉに行き、軽食かお茶。
↓
庭園を散策
↓
午前11時 本館で美術品を鑑賞
鑑賞1回目 説明を読みながらじっくり鑑賞
↓
鑑賞2回目 音声ガイド(500円)を聴きながら鑑賞
↓
ミュージアムショップでお買い物
↓
午後1時
NEZUCAFÉで遅いランチ
出品目録やミュージアムショップで購入した書籍をチェック
↓
午後2時
鑑賞3回目 自分が好きな作品、印象に残った作品にもう1度会いに行く
↓
午後3時
今日の余韻に浸りながら・・・
NEZUCAFÉでデザート または 周辺のみゆき通りでお茶
↓
帰る
(滞在時間 約5時間)
館内図
(根津美術館施設案内パンフレットより)
出品目録(企画展「香合百花繚乱」平成30年2月22日(木)~)
根津美術館年間パスポートもある
いろいろな楽しみ方ができる根津美術館ですが、「根津倶楽部」という組織に入会するとかなりお得な料金で入館できます。
季節ごとに展示品が入れ替わる根津美術館。
何度も訪れたい方におすすめです。
「根津倶楽部」会員の特典
- 展覧会期間中、何度でも入館OK。
- 展覧会ごとに誰でも利用できる招待券1枚をプレゼント。(←友達や家族と行ける)
- ミュージアムショップの商品が10%割引。
*ミュージアムショップの割引は一般書籍は対象外です。
*NEZUCAFÉは割引にはなりません(入館料はかからなくなります)。
申し込みは館内に置いてあるパンフレットに記入して入会金・年会費と共に提出。
根津美術館 入会申込書
パンフレットから切り取れるようになっています。
入会金 3,000円
年会費 8,000円
会員証の有効期限 入会日より1年間
だいたい展覧会が年に7回。
特別展の入館料が1,300円、企画展・コレクション展の入館料が1,100円。
2017年は特別展が3回、企画展・コレクション展が4回でした。
・1つの展覧会に2回以上行く事もある
・ミュージアムショップで根津美術館にしかない物を買い物する
・NEZUCAFÉや庭園にしょっちゅう行きたい
という方にはおすすめのシステムです。
根津美術館 の基本情報 | Information
住所 | 東京都港区南青山6-5-1 |
電話番号 | 03-3400-2536 |
開館時間 | 10:00-17:00 入館は16:30まで |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日は祝日の場合は翌火曜日) 年末年始 展示入替期間 |
入館料 | 【特別展】 一般 1300円 (団体料金20名以上 1100円) 学生(高校生以上) 1000円(団体料金20名以上 800円)【企画展・コレクション展】 一般 1100円(団体料金20名以上 900円) 学生(高校生以上) 800円(団体料金20名以上 600円)中学生以下は無料。 障害者手帳を呈示すると本人と同伴者1名まで団体料金適用。 |
カフェ | あり(NEZUCAFÉ) |
ミュージアムショップ | あり |
タバコ | 敷地内禁煙 |
最寄り駅 | 地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」 「渋谷駅」から都バス「渋88」系統「新橋駅前」行 六本木ヒルズから「ちぃばす 青山ルート」(六本木ヒルズ〜赤坂見附駅) |
アクセス | 地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」 A5出口(階段のみ)から徒歩約8分 B4出口(エスカレータあり)から徒歩約10分 B3出口(エレベータとエスカレーターあり)から徒歩約10分「渋谷駅」から都バス「渋88」系統「新橋駅前」行で約12分→バス停「南青山6丁目」にて下車徒歩5分六本木ヒルズから「ちぃばす 青山ルート」(六本木ヒルズ〜赤坂見附駅)約13分→バス停「青南小学校」にて下車徒歩1分 |
駐車場 | 9台(うち1台は身障者優先駐車場) |
公式HP | http://www.nezu-muse.or.jp/ 最新の情報は根津美術館の公式HPをご確認ください。 |
所要時間
館内鑑賞時間:1時間〜2時間(目安)
庭園散策時間:30分
デート : ◎
ファミリー:○
1人 : ◎
バス停の場所
(根津美術館施設案内パンフレットより)
横浜方面から根津美術館への行き方
【横浜方面からのおすすめの行き方】
- 横浜駅からJR湘南新宿ラインまたは東急東横線で渋谷に出る→地下鉄半蔵門線か銀座線で「表参道駅」まで行く
- 「表参道駅」から地下鉄・千代田線に乗り「明治神宮前駅」で乗り換え、東急東横線直通・副都心線で「横浜駅」や「元町中華街駅」に行く(←おすすめ)